情で付き合う相手との別れ方と、決断が三年遅れる本当の理由

好きかと聞かれると困る。嫌いかと聞かれると、違う。

この中間地帯にいる人、自分を責める材料だけが増えていく。


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情は悪者じゃない。ただ、判断を鈍らせる

感謝と、続ける理由は別の棚に置いていい

支えてもらった時期がある。しんどいときに隣にいてくれた。この事実は、消えない。

ただ、それは過去に受け取ったものであって、これから先も一緒にいる根拠にはならないんだよね。ここを混ぜると、感謝が契約書みたいに機能しはじめる。

恩を返す方法は、関係を続けること以外にもある。少なくとも、続けながら気持ちが死んでいく状態を相手に渡し続けるより、まだましな返し方があるはず。

情で続けた年数は、相手への借金にならない

三年続けたから責任がある、五年だから今さら切れない。この計算、けっこうな人がやってる。

でも年数って、こっちが勝手に積んだものでね。相手はその分の見返りを請求してるわけじゃない。むしろ、気持ちのない時間を三年もらってたと後で知るほうが、相手にとっては残酷なんじゃないかと思ってる。

痛いところ突かれた感じがしたなら、まぁ、そういうことだと思う。


なぜ三年も先送りになるのか

決定的な出来事が起きてくれない

浮気された、暴言を吐かれた、金の問題が出た。こういう分かりやすい理由があると、人は動ける。周囲にも説明できる。

情の関係にはそれがない。相手は普通に優しい。だから、自分の気持ちだけを理由に切ることになる。それが心細くて、決定的な何かが起きるのを待つ。

待ってる間、こっちの態度は少しずつ雑になる。返事が遅れる、笑わなくなる、予定を先に埋める。相手に切らせようとする動きが無意識に出はじめて、これが一番よくない。相手を悪者にしてから別れようとしてるわけだから。

相手のいい人度が高いほど、動けない

条件がいい人ほど、切る理由が見つからない。周りにもったいないと言われる。親も気に入ってる。

外側の評価と、自分の内側の温度が噛み合わない状態。この違和感を口に出すと、贅沢だと言われるから、飲み込む。飲み込んだぶんだけ、次に言い出すハードルが上がっていく。

三年遅れる仕組みは、だいたいこれ。


店で聞いた、情に縛られていた人の言葉

悪くない人を切るのが、一番きつい

グラスの縁を指でなぞりながら、こう言われたことがある。

「浮気でもしてくれたら楽なのに、って思っちゃう自分が最低でさ」

この台詞、表現を変えて何人からも聞いた。相手に非がないことが、そのまま自分への刃になってる。

もうひとつ。

「情って、愛情の残りカスなのかな。それとも別のものなのかな」

この問いに答えられなかった。今も答えられない。ただ、どっちにしても本人が消耗してることだけは確かで、そこは正体不明のままでいい気がしてる。

私が支えないと駄目になる、という思い込み

長く通ってた女性が、これに縛られてた。相手が仕事で不安定で、自分が抜けたら崩れる、と。

三年言い続けて、結局別れた。相手は崩れなかった。半年後に別の人と付き合ってた。

彼女は、ほっとしたのと同時に、けっこう傷ついてた。自分がいなくても回ったという事実に。

その夜のことは覚えてる。何も言えなくて、ただ水を出した。


俺が半年、辞めると言えなかった話

恩のある店を抜けるのと、構造が同じだった

ホストを辞めるとき、半年言い出せなかった。

拾ってくれた店長がいて、右も左も分からない俺に一から教えてくれた人だった。恩がある。売上が落ちてる時期に抜けるのは裏切りに見える。数字を持ち直してから言おう、と考えて、その基準を三回引き上げた。

自分でも笑えるんだけど、辞める理由は最初から一個しかなかった。もう続けたくない、それだけ。なのに、周りが納得する理由を探して半年かけた。

恋愛と何も変わらないでしょ、これ。

言った日、思ったより何も起きなかった

言った。店長は五秒くらい黙って、そうか、と言った。それだけ。

引き止められると思ってた。怒鳴られる覚悟までしてた。何も起きなかった。ほっとしたのと、拍子抜けと、少しの寂しさが同時に来て、その夜は変な感じだった。

後で分かったのは、向こうも半年前から気づいてたということ。俺の顔がずっと死んでたらしい。

隠せてると思ってるのは、たいてい本人だけなんだよ。


実際の切り方

相手の欠点を理由にしない

言い出しにくいから、つい理由を作る。あの癖が無理だった、価値観が合わない、みたいな。

やめたほうがいい。相手が改善案を出してきて、話が長引く。しかも直せる問題として扱われた瞬間、こっちが逃げ場を失う。

言うのはひとつ。自分の気持ちが変わった。理由の説明を求められても、そこから足さない。冷たく見えるけど、余計な情報は全部、相手の反論材料になる。

段階を踏まず、一回で言い切る

距離を置こう、から始める人が多い。優しさのつもりで。

でもあれ、実質は執行猶予でね。相手は待つ。待って、期待して、結局同じ結論を二回受け取ることになる。二倍痛い。

会って、一回で言う。長く話さない。三十分で足りる。

別れた後の連絡を、最初に取り決める

友達に戻ろう、を安易に置かない。情で続いた関係ほど、その言葉が復活の余地として機能してしまう。

しばらく連絡は取らない、と最初に決めておく。冷たいようだけど、これが一番早く両方が回復する。半年経って、まだ話したいと思えば、そのとき考えればいい話でしょ。


相手が壊れるのが怖い、という話

支えるふりを続けるほうが、相手を弱くする

これが一番よく聞く足枷。自分が抜けたらあの人は駄目になる、と。

たぶん、そこまでの力はこっちにない。人はそんなに簡単に壊れないし、壊れるほど依存させてるなら、その関係のほうが問題を抱えてる。

気持ちの入ってない支えを受け取り続けた相手は、いずれ気づく。気づいたときの傷のほうが深い。優しさで引き延ばしてるつもりが、相手の時間を削ってる構図になってることがある。

まぁ、これは俺自身が言われて刺さった話でもあるんだけどね。

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