酒乱女の特徴と、飲む前の三十分で見えてしまう予兆

崩れる人は、崩れる前から分かる。見るのは酔ってからじゃない。乾杯の前の三十分。あそこに全部出てるんだよね。


目次

呑まれる人は、飲む前の三十分に出ている

一杯目の速度

最初の一杯を、どのくらいで空けるか。

会話しながら、半分残ったまま二十分。これは大丈夫。飲むことより、その場にいることが目的になってるから。

問題は、届いて三分で消えてる場合。しかも本人が飲んだ自覚を持ってない。喉が渇いてたと言う。この形は、酒を味わってるんじゃなくて、酔いに向かって最短距離を走ってる状態でね。

二杯目の注文が一杯目を飲み終わる前に出るのも、同じ系統。速度が上がる一方の人は、たいてい途中で切り替えが効かなくなる。

何を飲むかより、なぜ飲むか

強い酒を頼む人が危ないという話じゃない。ワインだけで大惨事になった人を何人も見た。

見るのは、席についた時点の顔つき。今日は飲むぞ、という顔があるでしょ。目的地が酔いになってる顔。

嫌なことがあった日だと本人が言い出したら、そこはもう飲酒じゃなくて処置なんだよ。感情の処理を酒に代行させにいってる。この日の一杯目は、明らかに速い。


崩れ方には、いくつかの型がある

泣く型

比較的、被害が小さい。周りが対応しやすいから。

ただ、泣きながら過去の話を延々繰り返すタイプは、翌日に強い恥ずかしさが来る。で、その恥ずかしさをまた酒で消しにいく。この循環に入ってる人が、けっこういた。

責める型

一番きついのがこれ。

酔うと、相手の落ち度を並べはじめる。しかも過去のものを全部持ってくる。三年前の件が出てきたら、もうその夜は終わり。

厄介なのは、内容そのものは本音であることが多い点でね。素面のときに言えない不満が、蓋を外された状態で出てくる。だから翌日、なかったことにされても、こっちには残る。

記憶が飛ぶ型

これだけは、性格の問題として扱わないほうがいい。

意識はあって、会話も成立してて、翌日ごっそり消えてる。この現象は、飲み方の量とペースが身体の処理能力を超えたときに起きるもので、精神論でどうにかなる領域じゃない。

月に何度も飛んでるなら、酒癖の話ではなくなってます。後で書く。


夜の店は、酒に呑まれる人の見本市だった

男も女も、壊れ方は同じだった

先に言っておくと、これは女性の特徴の話じゃない。

店には男の同僚もいたし、ヘルプで入る場面も見た。崩れ方に性差はほぼなかった。泣く、責める、飛ぶ。同じ三つ。

違ったのは、周囲の反応のほう。同じことをして、男は笑い話になって、女は酒乱と呼ばれる。この扱いの差は、けっこう露骨だった。

なので、この記事を読んでる人が女性なら、そこは分けて考えていい。飲み方の問題であって、性別の問題じゃないから。

危ないのは、静かに飲んでいる人

騒がしい人は、案外まし。周りが気づけるから。

ぞわっとしたのは、席で一言も喋らず、こっちが作ったグラスを黙々と空けていく客だった。表情が動かない。二時間経って、いきなり立ち上がって、それから何が起きたか。書かないでおく。

黙って飲む人の内側では、外から見えない速度で何かが進行してる。あれを見て以来、静かな飲み方をしてる人にはこまめに水を出すようになった。


店で女性たちが漏らしていたこと

覚えてないのが、いちばん怖い

からん、と氷が鳴る時間帯に、こう言われたことがある。

「昨日何したか聞くのが怖くて、朝、友達に連絡できないんだよね」

これ、複数から聞いた。飲んでる本人が、いちばん怯えてる場合がある。周りは酒癖の悪い人として処理してるけど、内側では毎回、恐怖と後悔が回ってる。

もうひとつ。

「あれ私じゃないみたいな感じなんだよ。止め方が分かんない」

止め方が分からない、という言い方。これは意思の弱さの話じゃなくて、制御が効かなくなってる状態の説明として、かなり正確だと思う。

あの日だけは許されると思っていた、という話

一番刺さったのが、これ。

「酔ってれば言っていいって、どっかで思ってたのかも」

酔いを免罪符として使ってる自覚。本人が持ってた。

ここを認められる人は、たぶん変われる。認められないうちは、周りが何を言っても、酒のせいで話が終わる。


俺が呑まれる側だった時期のこと

記憶のない夜に、何をしたか知らされた

偉そうに書いてるけど、俺も呑まれてた側でね。

ホストって、飲むのが仕事の一部だった。営業中に浴びるように入れて、アフターでまた飲む。それが二年くらい続いた。

ある朝、同僚から連絡が来た。前の晩、俺が店の外で怒鳴ってたらしい。誰に、何を言ったのか、まったく出てこない。

謝りに行った。相手の顔が、はっきり引きつってた。あの表情は今も出てくる。

自分の記憶にない出来事の責任を取る、というのは、思ってる以上にきつい作業でね。反省しようにも、反省する対象が自分の中にないんだよ。

やめたきっかけは、しょうもなかった

減らしたきっかけは、健康診断でもなければ、誰かの説教でもなかった。

飲んだ翌日に、自分の部屋の壁に穴が空いてるのを見つけた。ただそれだけ。誰も傷ついてない。壁だけ。

その穴を見ながら、缶コーヒーを飲んで、しばらく座ってた。ずしん、と何かが落ちた。人に指摘されたことは全部言い訳できたのに、穴には言い訳ができなかった。

以来、飲む量に上限を決めた。守れてる。まぁ、たまに崩れるけどね。


相手がそうだったとき、どう扱うか

酔ってる最中に、説得しない

これが最重要。飲んでる本人に理屈は届かない。

言えば言うほど、その場の言い合いが大きくなる。しかも向こうは覚えてないから、翌日にはこっちが一方的に怒った人になってる。骨折り損でしょ。

やるのは、水を渡すのと、その場から離すこと。会話を打ち切って、帰る流れを作る。議論は明日でいい。

翌日、事実だけを渡す

素面に戻ってから、起きたことだけを短く伝える。

昨日こう言われた、店員にこうしてた、あの後こうなった。感情を乗せず、事実だけ。評価や説教をくっつけると、防御が始まって話が入らなくなる。

事実だけを渡された人は、たいてい黙る。その沈黙が、本人の中で作業が始まった合図だったりする。

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