若い頃遊んでない男の特徴と本当のリスク

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抱えているのは経験の少なさじゃなくて、空腹

高校の三年間で、女子とまともに喋った記憶がほとんどない。文化祭の準備で隣の席の子に消しゴムを借りて、ありがとう、と言った。それが三年間の最大イベント。あとは机とノートと、部活のボールしか触ってない。 二十歳で夜の店に入ったのは、たぶんその埋め合わせだった。

数えるべきは、モテた回数じゃなくて断られた回数

遊んできた、の定義がずれてる。何人と付き合ったかじゃないの。何回振られて、何回既読無視されて、何回途中でいなくなられたか。そっち。 断られ慣れてない人は、一回の好意を過大評価する。ちょっと優しくされただけで、これは自分にだけ特別なやつだ、と確信する。 系列のキャバクラに応援で入ってた時期があって、そこでこのタイプの男性客を毎晩見た。営業のラインが一本返っただけで顔つきが変わる。横で見ててヒヤヒヤしたよ。

遅れて爆発する、と言われる仕組み

承認欲求には賞味期限がない

十代で誰にも選ばれなかった記憶って、勝手には消えないの。仕事で結果を出しても、家庭を持っても、そこは埋まらない。別の口座だから。 だから四十を過ぎて、初めて女性からまっすぐ好意を向けられた時、十代の自分が起き上がる。 爆発というより、二十年遅れて届いた荷物を開けてる感じに近い。

四十五で急にジムへ通い始めた夫の話

店で聞いた話。 「旦那が四十五で急にジム行き始めて、服も全部買い替えて。あ、来たな、って思った」 その女性、怒ってなかった。淡々としてた。二十年連れ添って、夫が学生時代に一度もモテなかったことを知ってたから。 来たな、という言い方が忘れられない。予報が当たった人の顔をしてた。

とはいえ、全員がそうなるわけじゃない

ここは正確に書いておきたい。遊んでこなかった男が例外なくどこかで壊れる、なんてことはないから。数としては、静かに家庭を守り続ける人のほうがずっと多い。 分かれ目は、自分の中に穴があると自覚してるかどうか。自覚がある人は、好意を向けられた瞬間に、あ、これ来たやつだ、と気づける。気づけたら止まれるでしょ。 気づけない人が、自分は人生で初めて本気の恋をしてしまった、と解釈する。

実際に怖いのは、浮気より重さのほう

一人の相手に、全部の期待を乗せてしまう

恋人ができると、その人が恋人であり、母であり、友達であり、承認をくれる係になる。役職が多すぎるんだよ。 キャストの子が的確なことを言ってた。 「遊んでない男の人って優しいんだけど、優しさの向きが自分に来るんだよね」 喜ばせたいというより、喜んでもらえた自分を確認したい。だからサプライズの規模が毎回インフレしていく。

比べる相手がいないから、隣の芝が光り続ける

遊んできた男のほうが飽きやすい、というのは逆だと思ってる。 比較対象を持ってる人は、今の相手がちゃんと悪くないと分かる。持ってない人は、世の中の女性が全員未知のまま残ってる。未知って、いつまでも光ってるのよ。 それで四十代になって、初めて他人と比べる機会が来た時に、ぐらっとくる。若さがなくなったから浮気するんじゃない。今まで開いてなかった扉が、たまたまその年に開くだけ。

ホストクラブで、女性たちが話していた本音

私が初めて、が嬉しかったのは最初だけ

「彼、付き合ったの私が初めてなんだって」 最初は自慢げに言ってた。三ヶ月後、同じ席で違うことを言い出した。 「なんか、怖くなってきちゃって」 何が怖いのか聞いたら、しばらく黙って、こう返ってきた。 「私しか知らないってことは、私がいなくなったらゼロになるってことでしょ」

私が普通なのか分からない、と言われた夜

別の女性が持ってきた話。彼氏に、君しか知らないから、君が普通なのかどうかも分からない、と言われたらしい。 言った本人は誠実さのつもり。受け取る側はぞわっとする。 基準のない場所に立たされて、君が基準だよ、と渡される。それって信頼じゃなくて、審査の丸投げなんだよね。

店で壊れた、同期の話

ノートを取るホストだった男

同期に、彼女いない歴が年齢と同じ、というやつがいた。真面目で、努力の量は俺の倍あった。接客のあとに毎回ノートを取ってた。ホストでノートを取る男、そうそういない。 最初の三ヶ月は普通に伸びた。四ヶ月目に、ひとりの客に本気になった。 その女性は他にも通ってる店があるタイプで、それを知った時のあいつの顔、いまだに覚えてる。 (あ、これ止められないやつだ) 店を辞めて、追いかけて、消えた。実家に戻ったと風の噂で聞いた。 あいつが弱かったんじゃないよ。二十二年ぶんの空腹を、ひとりの女性だけで満たそうとした。無理に決まってるじゃん。

先輩に聞かれた、断られたことあるか、という質問

入店して半年くらいの頃、先輩に唐突に聞かれた。 お前、女に断られたことある? はい、と答えたら、何回、と重ねられた。数えたことなかったから、うーん、と黙った。 じゃあ足りない、とばっさり切られて話は終わり。あの時はカチンときたけどね。 今なら分かる。断られた回数って、女性を人として見られるようになるまでの授業料。払ってない人にとって、女性はずっと自分を判定してくる存在のままなの。

遊んでいなくても、安心して選べる見分け方

フラれた話を、笑いながらできるか

これがいちばん効く。告白して無視された話や、二回目に誘って断られた話を、笑い話として出せる人。 出せない人は、そこがまだ傷のまま置いてある。傷が生きてると、次に好意をくれた相手に、必要以上の意味を与えてしまう。 初対面で確かめる話じゃない。付き合ってしばらくすれば、この手の話題は必ず出るから。その時の表情を見ておくといい。

女性を褒める言葉に、幅があるか

可愛い、綺麗、しか出てこない人は、外側しか見ていない。 仕事の進め方を褒める。選んだ店を褒める。話の運び方を褒める。この幅がある人は、遊んでなくても人を見る目が育ってる。 経験の量と観察の力って、別々に伸びるものだと思う。

恋愛の外に、時間を渡している場所があるか

趣味でも仕事でも、古い友達でもいい。恋愛以外に熱を置ける場所を持ってる人は、恋人に全部を積まない。 休みの予定が全部あなたで埋まってる状態は、一見すると誠実に見えるでしょ。あれ、依存の準備が整っただけだったりする。

自分が遊んでこなかった側なら

埋めるのは、経験の数じゃない

何人と付き合えば人並みになれるか、みたいな計算はやめたほうがいい。数を追うと、目の前の人を教材として扱ってしまう。それ、確実に相手に伝わるから。 やることは二つ。断られる場所に出ていくこと。それと、恋愛対象として見ていない女性と、長く喋ること。 後ろのやつ、びっくりするくらい効く。俺が店で伸びた時期って、営業が上手くなった時期じゃないの。女性の話を最後まで遮らずに聞けるようになった時期だった。

遅れて始めた人が持っている、一点の強さ

十代で遊び倒した人は、感動のハードルが上がってる。何をされても、前に似たのがあった、で処理される。 遊んでこなかった人は、そこがまだ新品なんだよ。誰かが自分を選んだことに、ちゃんと動ける。年齢を重ねるほど希少になる持ち物だと思ってる。 その新品さが依存に化けるか、相手を大事にする力に化けるか。分岐点は結局、断られた経験があるかどうかに戻ってくる。

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