男性が好きな人を見る時の目つき|作られた優しい目との差

目次

今の、営業の目だよね

今の、営業の目だよね。 そう言われた時、心臓が一回止まった気がした。 入店して一年、それなりに自信がついてきた頃のこと。俺は自分の目つきを武器だと思ってた。実際、そう褒められることも多かったし。 言った本人は笑ってた。悪気はなかったと思う。ただ、全部見えてたんだろうな。

優しい目つきは、訓練で作れる

先に、優しい目つきというのは、作れる。俺は作ってた。鏡の前で練習もした。 だから、優しい目で見てくれる、という一点だけで好意を判定するのは、あんまり意味がない。少なくとも、俺みたいな人間が世の中にいる限りは。

じゃあ、何が違ったのか

見抜かれたあの夜から、俺はずっと考えてた。 作れるものと、作れないもの。その境目がどこにあるのか。 何年かかけて出た答えを、この記事に書く。

目尻のしわで見分ける、は当てにならない

昔から言われてきた話

本物の笑顔は目が笑う、作り笑いは口だけ、という話。聞いたことあるでしょ。 これには一応の出どころがあって、十九世紀のフランスの医師が、心から楽しい時の笑顔には目のまわりの筋肉が使われるけど、作った笑顔では使われない、と記録したのが始まり。 二十世紀に入って、この目元の動きは意識してコントロールしにくいから、本物の証拠として使える、と主張した研究者がいた。ここから一気に広まった。

ところが、研究が進むと怪しくなった

近年の検証では、かなり雲行きが怪しい。 楽しいふりをしてもらった時と、本当に楽しい時とで、目元の動きを伴う笑顔が同じくらい出た、という報告がある。 別の調査では、作った笑顔を集めたデータの中でも、七割近くに目元の動きが入っていた。訓練を受けていない人でも、半分以上が意識的に目のまわりを動かせた、という結果もある。 本物と作り物で差が出た研究もあるにはあるけど、その差は思っているほど大きくない。三割と二割の間くらいの話だったりする。

だから、顔の形を読むのをやめる

正直に言うと、俺がこの結果を知ったのは店を離れてからで、ああ、やっぱりな、と思った。 だって作れたもん。目の下に力を入れて、少し細める。何度もやった。 一瞬の表情は、誰でもそれなりに作れる。だから判定に使うなら、表情じゃないところを見たほうがいい。

作れないのは、表情じゃなくて注意の配り方

一瞬は作れる、三時間は作れない

営業の目を、俺は五秒なら完璧に作れた。三十秒でも大丈夫。 無理だったのは、三時間ずっと本当に興味を持ち続けること。 表情は筋肉だから作れる。でも、注意をどこに置くかは、意識では長く持たない。疲れると、勝手に元の配分に戻る。

疲れた時に、どこを見ているか

夜の遅い時間、酒が回って、集中が切れかけた時。俺の視線は、時計と、店内の他の卓に流れてた。 逆に、本当に面白いと思って聞いている時は、疲れていても相手の顔から視線が外れない。外れても戻ってくる。 だから見るなら、その人が余裕のある時じゃなくて、疲れている時。素の配分はそこに出る。

聞いている時か、話している時か

これが、俺の中でいちばん確度の高い見方。

自分が喋る時だけ見る人

話しながら、相手の顔をじっと見る人がいる。 目力があって、一見すると熱がありそうに見える。ただ、あれは反応の確認をしてることが多い。ちゃんと伝わってるか、面白がってもらえてるか。 見ているようで、見ているのは自分の話の受け止められ方のほう。

相手が喋っている時に見る人

逆に、自分が話す時は視線が泳いで、相手が話し始めると目が向く人。 こっちのほうが、たぶん本物に近い。 「話してる時じゃなくてさ、私が話してる時に見てくれる人って、ちょっと違うんだよね」 店でそう言った子がいて、あ、バレてる、と思った。俺は自分が喋る時に見るタイプの営業をしてたから。

難しいのは、これが自分では制御しにくいこと

演技する側からすると、ここはコントロールしづらい。 自分が喋っている時は、話の組み立てに頭を使ってるから、視線の管理までは手が回らない。 逆に言えば、見ている側にとってはありがたい指標になる。

長さより、戻る回数

営業の視線は、長い

じっと見つめるのは、実は営業の技術。長く見ると、相手は特別扱いされてると感じるから。 意図してやるから、長くなる。そして、途中で外さない。

本物は短くて、何度も戻る

好意がある人の視線って、たいてい短い。恥ずかしいから、長く保てない。 代わりに、何度も戻ってくる。一秒見て、外して、また見る。会話の中で、それが繰り返される。 長さで測るとゼロに見えて、回数で測ると多い。ここが逆転してるから、見つめてこない人を脈なしと判定してしまう人が多い。

見つめてくるのは、別の理由のこともある

じっと見てくる人が全員営業というわけじゃないよ。 単に人の顔をよく見る癖の人もいるし、話に集中しているだけの人もいる。 ただ、視線の長さだけで熱量を測ると、外しやすい。回数と一緒に見たほうがいい。

全員に優しい人を、どう分けるか

検索してきた人の悩みは、たぶんここでしょ。彼、誰にでも優しいから分からない、というやつ。

その人の基準線を先に見る

誰にでも柔らかい目をする人はいる。接客業の人、教える仕事の人、もともと表情が穏やかな人。 その場合、あなたに向けられた目が優しいことには意味がない。それがその人の平常だから。 だから先にやることは、判定じゃなくて観察。他の人と話している時に、どんな顔をしているのか。

他人を見ている時と、並べる

並べると差が出る。出ないなら、そこは平常運転。 差が出るとしたら、目つきそのものよりも周辺に出ることが多い。

変化が出るのは、まばたきと距離

緊張するとまばたきが増える。これは自分では止めにくい。 それと、体の距離。話す時に半歩近づくかどうか。 優しい目は全員に向けても、距離までは全員に詰めない。目より、足の位置のほうが正直だったりする。

使えそうで使えない指標

瞳孔は、照明で決まる

好意があると瞳孔が開く、という話も有名だけど、実用性は低い。 瞳孔の大きさは明るさでほぼ決まるから。薄暗い店にいれば全員開いてる。 暗い場所で、彼の瞳孔が開いていた。それは店のせいだよ。

目が合う回数は、席の位置で変わる

向かい合って座れば当然増えるし、横に並べば減る。 四人で囲むテーブルなら、正面の人と一番目が合う。それは物理の話であって、好意の話じゃない。 同じ条件のもとで比べないと、数える意味がない。

店で聞いた本音

他の子にも、同じ目をしていた

「担当の目が優しいなあって思ってたんだけどさ。他の子にも同じ目してるの見ちゃって、あー、ってなった」 これは本当によく聞いた。というか、こちらが見られてないと思ってる瞬間が、一番見られてる。 仕事だから当たり前でしょ、と言われればそうなんだけど、当たり前で片付けられない気持ちが残るのも分かる。

見ている時間じゃなくて、覚えている量

もうひとつ、鋭い指摘をされたことがある。 目が優しいかどうかより、この前の話を覚えてるかどうかのほうが分かりやすい、と。 確かにそう。視線は一晩で作れるけど、記憶は作れない。

本当に好きだった人を見ていた時の、自分

仕事を離れた話をひとつ。 付き合う前に何度か会っていた相手に、あとで言われたことがある。 あなた、私が話してる時、ずっと口が半開きだったよ、と。 覚えてない。まったく自覚がなかった。ただ、指摘された瞬間に、ああ、あれか、と思い当たる感覚はあった。 (マジか、ずっと間抜けな顔してたのか) 恥ずかしかったけど、ちょっと嬉しくもあった。作れなかった顔が、勝手に出てたわけだから。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次