体型のことを言う人の心理|傷つかない返し方

鏡の前で、なんとなく体を横に向けてみる。お腹に手を当てて、すぐ離す。

そういう夜って、たいてい誰かの一言のあとにやって来るんだよね。

「最近ちょっと肉ついた?」とか。脚がもう少し細かったら完璧なのに、とか。

言った本人は、もう覚えてない。チャンネルを変えるくらいの気軽さで、次の話題に移ってる。こっちはその一言を、帰り道も布団の中でも、飴玉みたいに舌の上で転がしてるのにさ。

何あれ。悪気あったの?なかったの?

昔、夜の街でホストをやってた。女の子が体のことで傷ついた話は、開けたシャンパンの本数より多く聞いてきた気がする。

目次

体型のことを言う人の心理は、6つの顔に分かれる

同じ太った?の一言でも、言う人の中身はまるで別物。

店で聞いてきた何百人ぶんの恋バナと、自分のやらかしを混ぜて振り返ると、ざっくり6つに分けられる。きれいに線が引けるわけじゃないし、2つ3つ混ざってる人もいるけどね。

見たものをそのまま口に出す実況型

悪気が本当にゼロの人。これが意外といるんだよ!

この人の頭の中では、体型の話も、髪切った?日焼けした?と同じ引き出しに入ってる。変化に気づいたから言った、それだけ。なんか、言葉が胃に落ちる前に口から出ちゃうんだよね。

男兄弟の中で育った人や、運動部で体をいじり合うのが挨拶代わりだった人に、このタイプをよく見かけた。

困るのは、悪気がないぶん、どこで相手を傷つけたのか本人が本気でわかってないところ。地図を持たずに地雷原を散歩してるようなもの。踏んでも、爆発音が聞こえてないっていう。

いじりで距離を縮めたい不器用型

好きな子のランドセルを引っ張る小学生男子。あの回路のまま大人になった人、けっこういるんだわ。

この人にとって体型いじりは、俺たち仲いいよな、の確認作業に近い。まっすぐ褒めるのは照れくさいから、ちょっとだけ下げてみる。相手が笑い返してくれたら、距離が縮んだと勝手に安心する。

付き合う前や付き合いたての時期にこれをやる男、ほんとにざらにいるからね。照れの裏返しなのはわかるよ。でも受け取る側からすれば、ただ痛いだけっていう(笑)

自分のコンプレックスを相手に映している型

ここ、見落とされがち。

自分の体に自信がない人ほど、他人の体の粗を探す。お腹出てきたね、と言ってくる男の腹を誰より気にしてるのは、たぶん本人なんだよな。

ホスト時代、毎日鏡を三十分は見てる同僚がいてさ。店でダントツにお客さんの体型にうるさかったのが、そいつだった。

(話それるけど、ホストってなんであんなに自撮りの角度にこだわるんだろ。俺も左斜め四十五度以外は認めてなかったけど笑)

自分を測る物差しが厳しすぎて、他人にも当てずにいられない。言葉の切っ先はこっちを向いてても、柄のほうは本人の胸に食い込んでる。ぶっちゃけ、ちょっと気の毒なタイプでもある。

隣に並ぶ自分の見栄を守りたい型

恋人を、自分を飾るアクセサリーみたいに扱う人。

紹介する前にもうちょっと絞ってほしい、その服は体の線が出るからやめたら?こういうセリフが出てきたら、少し立ち止まったほうがいい。気にしてるのは相手の健康でも気持ちでもなく、隣に立つ自分がどう見られるか、だから。

二人の写真に細く見せる加工を勝手にかけて、SNSに上げる男の話も聞いた。いや、それは本人に失礼すぎでしょ!

心配の伝え方を知らない型

体のことを本気で心配してるのに、言い方が致命的に下手な人。

急に痩せた恋人に、痩せすぎじゃない?と聞くのは、愛情から来てることもあるんだよ。ただ心配なら、ちゃんと眠れてる?とか、最近しんどくない?とか、体の奥にあるほうを聞けばいいのに。外側だけ指さしてるうちは、気持ちが届かない。

このタイプは、話せば案外素直に言い方を変えてくれる。そこが救いかな。

自信を削って手元に置きたい支配型

正直言って、何より気をつけてほしいのはここ。

体型のことを何度も口にして、相手の自己評価を少しずつ削っていく。その体型を好きになるのなんて俺くらいだよ、なんて言葉が出たら、もう冗談の域を出てる。自信をなくした相手は自分から離れていかない、と踏んでるんだよね。

夜の街には、わざとこれをやる人間がいた。下げて、下げて、たまにだけ優しくする。そうすると女の子は、そのたまにの優しさにしがみつくようになっていく。横で見てて、背中がゾワッとした。

(これだけはやらないと決めてた。かっこつけじゃなく、見てて気持ち悪かったから。マジで)

ホストクラブで女の子たちがこぼしていた体型の本音

酒が入ると、人は彼氏の愚痴より先に、自分の体の話を始める。不思議だけど、これが本当にそうなんだよ。

半袖を着られなくなった、と笑って話した子

二十代半ばの、よく笑う看護師の子。真夏なのに、薄いカーディガンを羽織って席に来た。

「彼氏にさ、二の腕たくましいねって言われてから、半袖着てないの。もう三年」

三年…。あんまり明るく言うから、こっちもつられて笑いかけて、途中で止まった。胸の奥がズキッとして、グラスを持つ手が少し遅れた。

その彼氏は、自分の一言なんてとっくに忘れてるはず。言った側の一秒が、言われた側の三年になる。体型の話の怖さって、この重さのズレなんだよな。

痩せたら、今度は痩せすぎと言われた子

別の子は、元彼に太ったと言われて、半年かけて八キロ落とした。

「そしたら今度は、痩せすぎて抱き心地悪いって。結局、何しても文句言いたいだけだったんだなって、別れてからやっとわかった」

走っても走っても、ゴールテープが一歩ずつ奥へ下がっていく感じ。最初から体の問題じゃなかったってことじゃん。

この話は、あとの見分け方のところでもう一度使わせてもらうね。

ここでは誰も体のことを言わないから楽、という一言

これは、聞いた瞬間に目の奥がジワッと熱くなった。

閉店間際、ほろ酔いの常連さんがグラスの縁を指でなぞりながら言ったんだ。

「ここ来るとさ、誰も私の体のこと言わないから楽なんだよね」

ホストクラブが、体型を言われずにすむ避難所になってる。外でどれだけ言われてきたんだよって話でさ。嬉しいような、無性に寂しいような。あの日の帰りのタクシーでは、ずっと窓の外のネオンを眺めてた。

元ホストの俺が、体型の一言で常連を失いかけた日

ちょっと丸くなった?で一か月連絡が途絶えた

偉そうに書いてきたけど、俺も一回やらかしてる。

入店して半年くらいの頃。久しぶりに来てくれた常連さんに、ノリで「あれ、ちょっと丸くなった?可愛いじゃん」って言った。褒めたつもりだった。

その日は普通に楽しそうに帰っていったのに、次の日からLINEが既読にならない(泣)

焦った。売上がどうこうより、自分が何をしたのかわからないのが怖かった。一週間、二週間。送ったメッセージが、画面の中で少しずつ冷めていく。まさか、あの一言だとは思ってなかったんだよ。

一か月後、突然、何事もなかったみたいな顔で店に来てくれた彼女が、乾杯のあとに言った。

「丸くなったって言葉はね、可愛いを足しても消えないんだよ」

返す言葉がなかった。(可愛いって付けたし、褒めたじゃん…って、心の中でまだ言い訳してた。最低)

その一語で相殺できると思い込んでた自分が、たまらなくダサかった。

先輩に叩き込まれた、選んだものを褒めろという鉄則

その話を先輩にしたら、深いため息をつかれた。はぁ…っていう、あの時の音は今でも耳に残ってる。

体の変化は口にするな。褒めるなら、その子が選んだものを褒めろ。

教えはそれだけ。髪型、服、ネイル、香水。自分で選んだものを褒められると、人はセンスを認められた気持ちになる。体の変化を指摘されると、良くても悪くても、見張られてた気分になるらしい。

ホストの世界の掟だけど、恋愛にもそのまま通じるんだよね。体型のことばかり言う人って、相手が選んだものにほとんど目がいってない。見てるのは、外側の数字だけなんだわ。

冗談か支配かを見分ける3つのサイン

6つの型のうち、話せば変わる人と、離れたほうがいい人がいる。見分け方は、拍子抜けするくらい単純。

やめてと伝えたあとの反応を見る

一度だけ、真顔で、やめてほしいと伝えてみて。答えはそこで出るから。

タイミングは、言われたその場より、少し落ち着いた別の日がいい。その場だと、向こうも引っ込みがつかなくなるんだよね。

実況型や不器用型なら、えっ、ごめん、そんなに気にしてると思わなかった、で止まる。気まずそうな顔をして、次からは言わなくなるはず。

支配型は、ここで本性が顔を出す。冗談じゃん、気にしすぎ、そういうとこ面倒くさい。悪いのは言った自分じゃなくて傷ついたあなた、という話にすり替えてくる。このすり替えが来たら、黄色じゃなくてもう赤信号。

あなたが変わったとき、ゴールが動くかを見る

八キロ落とした子の話が、まさにこれ。

言われた通りに痩せても、髪を伸ばしても、服を変えても、新しいダメ出しが湧いてくる。それは相手の理想に届いてないんじゃない。指摘すること自体が目的になってるんだ。体型は、相手を下に置いておくための口実でしかないわけ。

人前で言うか、二人きりで言うかを見る

友達の前で体型をいじる人がいる。場を盛り上げるために、恋人を差し出してるのと変わらない。笑いと引き換えに相手のプライドを売ってる、って言ったら言いすぎかな。

二人きりのときだけ言う人もいる。外ではやたら感じがいいのに、部屋に入った途端に体型を責めはじめるとか。この落差が大きい人は、かなり危ない部類だと見てるんだよね。

どっちがマシかは、俺にもわからない。ただ、どっちにしても、言われる側が黙って耐え続ける理由にはならないよ。

体型のことを言われたときの返し方と、距離の取り方

愛想笑いをやめるだけで、空気が変わる

いじりの最大の燃料は、こっちの愛想笑い。

笑って返すと、相手は今のはアリなんだと覚える。だから次もやる。そこで笑うのをやめて、ふーん、とだけ返してみて。相手は、あれ、今のスベった?って戸惑うから。

戦わなくていいんだよ。燃料を足すのをやめるだけ。まぁ、最初はちょっと勇気いるけどね。

タイプ別に、短く刺さる返しを持っておく

長い説教は、だいたい右から左に抜けていく。短い言葉ほど、相手の頭に残るんだよな。

実況型には、それ地味に刺さるからやめて、を淡々と。怒らずに、天気の話くらいのトーンで言うと、かえってちゃんと伝わる。

不器用型には、普通に可愛いって言われるほうが嬉しいんだけど、と言葉の行き先を教えてあげてほしい。根っこは褒めたいだけだから、出口さえ作れば素直に乗ってくるはず。

投影型には、なんでそこが気になるの?と静かに聞き返す。自分のコンプレックスに触れられて、口ごもる人、わりといるよ。

見栄型には、私はあなたの飾りじゃないからね、と一回だけ言っておくのもアリ。

心配型には、気にかけてくれるなら体型より体調を聞いて、とお願いすればいい。

支配型には言い返さず、離れる準備を進める

支配型に正論をぶつけても、まず言いくるめられて終わる。向こうは、人を黙らせることに慣れてるから。

だから言い返さなくていい。そのかわり、言われた言葉を日付と一緒にメモしておく。信頼できる友達に、こんなこと言われたんだけど、と話してみる。ひとりで抱えてると、そのうち相手の声が自分の声みたいに聞こえてくるんだよ。それがいちばん怖い。

いきなり別れ話を切り出さなくても、会う回数を減らすだけで、相手の言葉が自分の中で占める面積は小さくなっていく。

体型を理由に人格まで否定されたり、食べるものを制限されたりしてるなら、モラハラと呼んでいいところまで来てる。専門の相談窓口を頼るのも、ぜんぜん大げさじゃないからね。

体型を変えるかどうかは、自分の声で決めていい

痩せても、言葉が止まらないことがある

体型のことを言われると、じゃあ痩せればいいんだって考えちゃう。でも、言う理由が相手の中にあるなら、こっちの体をどれだけ変えても止まらない。八キロの子が、身をもってそれを見せてくれた。

痩せたいなら、痩せればいい。そこは完全に自由。ただ、その痩せたいが、鏡の前の自分から出てきた声なのか、あの人の声なのかは、確かめておいてほしい。

自分の声で始めたダイエットは続く。人の声で始めたやつは、どこかで心のほうが先に折れるんだよなぁ。

自分が言ってしまう側だったら

最後に、言う側の話も少しだけ。

ここにたどり着いた人の中には、恋人に体型のことを言って怒られた側もいるでしょ。俺もそっち側だったから、責める気はない。

直すコツはひとつ。変化を口にしたくなったら、その一秒を飲み込んで、相手が選んだものを探すこと。新しいピアス、今日の服の色、待ち合わせに少し早く来てくれたこと。体型の外側に、褒めるところは山ほど転がってる。

見る場所が変われば、口から出る言葉が変わる。言葉が変われば、相手の笑い方まで変わってくるんだよ、これが。

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