聞くって、一番難しいコミュニケーションだと思う
しゃべるより、聞く方が難しい。
これ、ホストになって最初に叩き込まれたこと。最初は信じてなかった。しゃべる方が技術いるじゃん、って思ってた。
でも1年もやってたら、完全に逆だってわかった。
しゃべりが上手いホストより、聞くのが上手いホストの方が、圧倒的に売れてた。しかも聞くのが上手い人って、一見何もしてないように見える。ただ座ってる。でもお客さんは「あの人といると話せる」ってまた来てくれる。
何かを言ったから刺さったんじゃない。何かを聞いたから、刺さった。
彼女との関係も同じ構造で。聞き方一つで、関係の深さが全然変わる。
彼女が「ちゃんと聞いてもらえてない」と感じる瞬間
相槌が自動化してる
「うん」「そうだね」「へえ」。
これが一定のリズムで続いてるとき、聞いてるふりがバレてる。
人間って、本当に聞いてるときは相槌のタイミングが不規則になる。話の中身に反応してるから。でも上の空で聞いてるとき、相槌が一定のテンポになる。処理してないから。
彼女は気づいてる。気づいて、でも言わない。ただ、だんだん話す量が減っていく。
ホスト時代、自動相槌になってる自分に気づいたとき、意識的に止めた。相槌を打つのをやめて、ただ顔を見る。話の中の一言に反応する。そっちの方が、ちゃんと聞いてる感が出た。
話が終わる前に次の話題を出す
彼女がまだ話の途中なのに「そういえばさ」って別の話を始める男。
悪意はない。でも女性からすると「最後まで聞いてもらえなかった」が積み重なる。
話って、最後まで言えた満足感がある。途中で遮られると、その満足感がない。伝えたかったことが消化されないまま残る。
それが何度も起きると、「この人に話しても最後まで聞いてもらえない」になる。話す量が減る。深い話が来なくなる。
アドバイスを求められてないのにアドバイスする
「今日こんなことあってさ、しんどかった」って言ってきた彼女に「それはこうすればよかったんじゃない?」って返す男、多い。
解決しようとしてる。優しさから来てる。でも女性が求めてたのは解決策じゃなくて、共感だったりする。
しんどかったって言ったとき、まず「しんどかったね」が来てほしい。それだけでいい場合が、結構多い。
アドバイスは求められてから出すもの。求められてないアドバイスって、話を聞いてなかったことの証明に見える場合がある。
ホストが現場で使ってた聞き方の技術
技術1 「最後の言葉」を繰り返す
シンプルで、効果がえぐい。
彼女が「今日仕事でめちゃくちゃ疲れた」って言ってきたとき、「疲れたんだね」って繰り返す。それだけ。
これ、カウンセリングの技法にも入ってるやつで、オウム返しとも言う。でも機械的にやると逆に気持ち悪くなるから、温度を乗せることが大事で。
繰り返すことで「ちゃんと届いた」が伝わる。言った言葉が返ってくると、人は受け取ってもらえた感覚になる。それが「話してよかった」に変わる。
ホスト時代、これを意識的に使い始めてから、お客さんが話してくれる内容が深くなった。短い返しなのに、会話が展開する。不思議な技術だと思った。
技術2 「感情の名前」を言う
「疲れた」って言ってきたとき、疲れた以外の感情が乗っかってることが多い。
悔しかった、悲しかった、腹立った、虚しかった。
そこに「なんか悔しかったんじゃない?」って言えると、女性は「そう、それ!」ってなる。
自分でもうまく言語化できてなかった感情を、代わりに言葉にしてもらえた瞬間。それって、深く見てもらえた感覚がある。
ただしこれ、外すと「違う」ってなるから慎重に。外したときは「違うか、どんな感じだった?」って聞き直せばいい。外してもリカバリーできるから、怖くない。
技術3 質問を一個に絞る
聞きたいことが複数あるとき、全部聞かない。
「それって、いつ頃から?どんな状況で?上司の人がそういう感じだったの?」みたいに質問を連発するの、やってしまいがちじゃん。
でも受け取る方は、どれに答えればいいかわからなくなる。
一個だけ。一番聞きたいことを一個だけ選んで聞く。
そうすると女性は答えやすくなる。答えながら、自分でも整理されてくる。整理されると、次の話が出てくる。
会話って、引き出すものじゃなく、出てくる環境を作るもの。一問一答じゃなくていい。一個聞いて、流れに乗る。
技術4 「続き」を求める
「それで?」「その後どうなった?」
この二言、すごく強い。
なぜかというと、話への興味が直接伝わるから。内容に引き込まれてるから続きを聞きたい、ってことが伝わる。
女性は話してる途中で「この人、興味あるのかな」って感じ取ってる。続きを聞いてくれると「ちゃんと聞いてくれてる」が確認できる。そこから話がさらに深くなる。
ホスト時代、これをよく使ってた。短い言葉で、相手の話を引き出せる。しゃべらなくていい。「それで?」だけで会話が展開する。
技術5 沈黙を埋めない
話が途切れたとき、何も言わない選択肢がある。
ただ顔を見て、待つ。
これが一番難しくて、一番効く技術。
沈黙って、女性が言葉を探してる時間だったりする。その時間を奪われると、言いたかったことが出てこなくなる。でも待ってくれてると、言葉が出てくる。
しかもその沈黙に耐えられる男って、女性からすると「一緒にいて楽」に分類される。無言でいられる相手って、特別なカテゴリーで。
最初は怖い。10秒の沈黙って、やってる方はめちゃくちゃ長く感じる。でも慣れると、沈黙の中に何かが流れてる感覚がわかってくる。
ホストクラブで女性が話してた「聞いてもらえた」瞬間の本音
「何も言わなかったのに、わかってくれた」
あるお客さんが話してくれた。
「なんか、うまく言えなかったんだけど。あの人の前だと、言葉が出てくる前に泣いちゃって。それでも待ってくれてて。泣き止んだあとに、ゆっくり話してって言ってくれて。そのとき初めて、ちゃんと聞いてくれる人だってわかった」って。
何も言わなかった。でも待ってた。それだけ。
行動してないのに、一番伝わってた。
「質問の仕方が、他の人と違った」
別のお客さんの話。
「普通、何があったのって聞くじゃん。でもその人、何がしんどかったって聞いてきて。それだけで、なんか全然違う感じがして。ちゃんとこっちの感情を聞こうとしてくれてるって、わかった」って。
何があったの、と、何がしんどかったの。
ほぼ同じ質問に見えて、向いてる方向が全然違う。前者は出来事を聞いてる。後者は感情を聞いてる。
女性が話したいのって、出来事より感情の部分だったりする。そこを最初から聞きに来てくれる男が、話しやすい男になる。
「覚えてくれてたことを、話に出してくれた」
これも何人かから聞いた話で。
前に話したことを、次の会話で自然につなげてくれた。「この前言ってた〇〇、その後どうなった?」って。
それだけで、前の会話がちゃんと存在してたと感じた、って。
会話って、一回一回完結してる記録媒体じゃない。続いてるもの。前の話と今の話がつながってる感覚を作れる男は、深い関係を作れる。
やってはいけない聞き方
「わかる」の多用
共感を示そうとして「わかる」を連発する男がいる。
「わかる」って言葉、最初は嬉しい。でも何度も来ると、本当にわかってるの?ってなる。しかも全部に「わかる」って言ってると、わかってないことにもわかるって言ってる感じがしてくる。
あるお客さんが「わかるって言われるたびに、本当にわかってないだろうなって思う」って言ってた。辛辣だけど、リアルな話で。
わかる、より「そうか」の方が、下手に共感を押し付けてない分、信用されることがある。
スマホを持ちながら聞く
これ、前の記事でも触れたけど、どれだけ重要か伝えたくて改めて書く。
スマホ持ちながら「うん、それで?」って聞いてくる男の話を聞いた女性全員が、「聞いてもらえてない感じがした」って言ってた。全員。
スマホを置く。体を向ける。目を合わせる。
これだけで、聞いてる、が伝わる。言葉より先に姿勢。姿勢が全部を決めてる。
話してる途中で解決策を出す
これ、男の本能的な部分から来てる気がする。問題があれば解決したい、って。
でも女性が話してる最中に「だったらこうすればいいじゃん」って言うの、タイミングが早すぎる。
まず全部話させる。最後まで。
そして話し終わってから、「何か俺にできることある?」って聞く。できることがあれば動く。何もなければ聞いてただけでいい。
聞くこと自体が、できること、なんだよ。それで十分な場合が、男が思ってるより多い。
元ホストの実体験、ちょっと恥ずかしい話
ホスト1年目の話。
ある夜、お客さんが仕事の愚痴をずっと話してくれてた。上司がひどい、職場の雰囲気が悪い、毎日しんどい。
俺、途中から解決策を考え始めてた。転職した方がいいんじゃないか、こういう対処法があるんじゃないか。
話が一区切りついたとき、その解決策を全部並べた。
お客さん、苦笑いして「…そっか、ありがとう」って言った。
なんか、空気が変わった。盛り上がってたのに、急にトーンダウンした感じ。
先輩に後で聞いたら「あの子、解決策が欲しかったわけじゃないよ」って。「ただしんどかったって、聞いてほしかっただけだよ」って。
わかってたつもりだったのに、全然わかってなかった。
あの空気の変わり方、今でも覚えてる。恥ずかしいけど、あれがあったから聞き方が変わった。
失敗って、ちゃんと財産になるんだよなぁ…。ダサいけど。
聞き上手な男が作れる関係の深さ
話をちゃんと聞いてもらえた経験って、人間の記憶に残る。
誰かに全部話せた、受け取ってもらえた、わかってもらえた。その体験をくれた人のことを、人は大事にしたくなる。また話したくなる。また会いたくなる。
聞くって、関係を作る行為。
しゃべって笑わせることより、ちゃんと聞くことの方が、一番信頼される。
それができてる男のそばで、彼女は全部話せる。全部話せた相手を、人は手放せなくなる。
そういう関係の作り方、地味だけど一番強いんだよなぁ。

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